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めっちゃ久しぶりの更新
という訳で、めっちゃ久しぶりの更新と相成りました。月夜の草原です。

いやぁ。新作って、ファンダムですかぁ・・・。

続編じゃないじゃん!とかね?

別にいいんだけどね?

いいよ。別に。ファンダムだって面白いさ。やったことないけど。

でもね、なんだって今回藤島さんキャラオンリーなんでしょうねぇ・・・。

坊ちゃんでないじゃん!

Dリメ、D2と発売したのに、ここでDをのけちゃうんですね・・・。

確かにさぁ。藤島さんキャラのゲームはどれも人気高いけどさぁ・・・。

続編って聞いて、めっちゃEを期待してたんだよねぇ。個人的に。

ファンダム・・・いいよ。別に。どうせ買うから。

そういや今回ルークは断髪バージョンだったね。

断髪好きだよ。私。

なんか可愛いよねw

うん。よかったね。P・S・Aのキャラは全員出るもんね。

うん。・・・いいよ。



うわぁ。久しぶりに更新したと思ったらコレかよ。って感じの日記っスね。
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【2007/02/22 17:40】 | 日記 | コメント(3)
第9話 「どうなさいましたか?」
フィリアの部屋を出て、先に行ったカイルたちを追って参道へ行くと、衛兵2人が一緒にいた。

進入した『賊』を捜している衛兵に見つかってしまって、どうしてこんなところにいるのかと、尋問されているようだ。

そのまま放っておきたいところだが、もうすぐ日も暮れてしまう。

フルート、カイル、ロニは既に宿を取っているが2人増えたので、最低女性2人と男性3人で2部屋に別れることになるだろう。

しかしフルートが取っているのはシングルなので、ベッドは1つだ。

明日は参拝の日のようで、アイグレッテはいつもよりも人が多い。

早くしないと部屋がなくなってしまう。


フルートは1つため息をついて近づいた。



「どうなさいましたか?」

後ろから静かな凛とした声が響いた。

「こ、これは、フルート殿。今お帰りですか?」

「ええ、それより、どうなさったのです?」

「いえ、どうも神殿内に賊が入り込んだらしく・・・そうしたら、この者たちを見つけまして」

視線をカイルたちに移すと、ジューダスの表情はわからないが、3人とも苦笑いしていた。

再び衛兵に視線を戻す。

「彼らは私の知人たちです。宿で待ち合わせをしていたのですが、予定よりも遅くなってしまったので、心配して来たのでしょう」

困ったように微笑んでフルートが言うと、衛兵2人は少々顔を赤らめる。

「そ、そうでしたか!申し訳ございませんでした!」

頭を下げると、衛兵2人は去っていった。


「ありがとう、フルート!助かったよ!」

「いいえ。さあ、日が暮れてしまいますよ」

今度はニコリともせずにその場を後にしようとすると、後ろからジューダスの声が響いた。

「・・・なぜ、かばいだてした?仲間などというウソまでついて」

その問いはカイルに向けられたもののようだ。

フルートに着いて行こうとしたカイルは足を止め、振り返る。

「だって、ジューダスは仲間だもん。かばうのも、あたりまえだよ」

「僕は仲間じゃ――!」

「じゃあ聞くが、あんた、カイルが『仲間だ』って言った時、黙ってたよな?」

否定しようとするジューダスを遮るようにロニが言う。

「仲間じゃないと思ってたら「ちがう」ってハッキリ言うはずだぜ。あんたの性格ならな」

合計してたった数時間で性格を把握するというのは、どうだろう・・・。

ま、コイツらは典型的な性格ではあるのだけれど・・・。

そのとき、ふと視線を感じてそちらを見ると、リアラが何とも言えない表情でこちらを見ていた。

目が合ったと気づくなりさっと視線をはずされてしまったが。

やはり、聖女様には少し気づかれたらしい。

「・・・さっきのように、また、ロクでもないことに巻き込まれるかもしれんぞ」

それでも、いいのか?そう続けたジューダスの声が耳に入り、フルートは再び彼らに視線を戻した。

「英雄は困難を恐れない!むしろ、望むところさ!」

「俺はこんな能天気なヤツと一緒に旅をしてるんだぜ?つまり、最初っからロクでもないんだ。今更、1つや2つ増えたって、かまいやしねぇよ」

「困難に巻き込む、ということなら、わたしも同じだと思います。だから、わたしは気にしません」

三者三様の答えを聞き、フルートも口を開く。

「――ということらしいですよ?あなたの負けです。諦めたらいかがですか?」

「・・・バカ者どもが、あとで後悔しても知らんぞ」

ジューダスも、ため息をつきながらも了承した。









絶対ふざけてるよね。
いきなり9話まとめて更新とか・・・。
さて、次の更新はいつになることやら・・・。
それでは皆さん御機嫌ようw(ぇ
【2007/02/09 18:13】 | 本編小説(2章) | コメント(2)
第8話 そうできたら、よかったのかもしれない・・・。
それまで傍観を決め込んでいたフルートは、目の前の初々しい光景に思わずため息をついた。

しかし、おっとりとした口調が彼女の耳朶に触れる。

「そういうわけですので、フルートさん。あなたも、彼らについて行ってくださいますよね?」

「・・・はい?」

思わずそちらを見返すと、旧友はニッコリと微笑んでいる。

思い返してみると先ほどのセリフは「くださいますか?」というお願いではなく、「くださいますよね?」と既に確認の域に達していた。

長い付き合い、というほど長いわけではないが、彼女の背後に何か黒いものが見える辺りからして、拒否権は与えられていないらしい。

フルートはため息をついた。

「わかりました。私も動向させていただきます」

「えっと、キミは?」

いきなりの展開についてこられなかったのだろうカイルから聞かれ、そういえばまだまともに名乗ってもいなかったことを思い出す。

「彼女はフルートさんです。私たちの友人ですわ。とても博識な方ですので、きっと当てになると思いますわ」

「フィリア」

とがめるようなフルートの声にも、フィリアは動じなかった。

「私たち?」

リアラが聞き返すと、フィリアは微笑んで返すだけだった。

フルートは同時に、先ほどから感じる視線が、さらに険しさを増すのを感じた。

「じゃぁ、とりあえずよろしくね」

カイルがリアラのときと同じように、笑いながら手を伸ばす。

「よろしくお願いします」

フルートは無表情にそう言っただけで、手はとらなかった。

「・・・おい、俺は仲間ハズレか?」

その微妙な空気を察したのか、ロニがちゃかすように言う。

「あ!ご、ごめんロニ、そういうつもりじゃ・・・」

「んじゃ、どーいうつもりよ?きっちり話してもらおうじゃねぇか。俺たちは『仲間』なんだからよ!」

2人のやりとりに耐え切れなくなったリアラが思わず噴出す。

そんな3人を一瞥し、ジューダスはフィリア、そしてフルートに視線を移すと、何も言わずにマントを翻す。

「あっ!待ってよ、ジューダス!」

「このやろ、逃げんな!」

それに気づいたカイルがジューダスを追って、ロニもそれを追った。

しかし、思い出したように入り口で止まり、振り返る。

「あ!フィリアさん、それじゃあ!リアラ、フルート、早くおいでよ!」

前半は未だベッドに身を起こしているフィリアへ。

後半は新たに仲間に加わった2人の少女に向けたもので、フルートは軽く目を見開く。

「フィリアさん、お身体、お大事に!・・・って待てよカイル!」

ロニもフィリアに一礼し、その隙に外へ飛び出してしまったカイルを再び追った。

「それじゃ、フィリアさん。わたしはこれで・・・」

リアラも辞そうとすると、フィリアはベッドに腰掛けるような形で座る。

「リアラさん。聞こえますか?トクン、トクンといっている、私の心臓の音が」

フィリアが胸に手を当てると、リアラはフィリアの胸元に耳をあてた。

そこには確かに、規則的で静かな鼓動が、彼女の時を刻んでいた。

「この音は・・・私の命は、あなたが守ったのです」

「フィリアさん、でも、わたし・・・」

「私がしたのは、止血だけです。あのままでは出血多量で危なかったでしょう」

リアラははっとして、振り返る。

「彼女の命を救ったのは、間違いなく貴方です」

続けると、フルートは小さく微笑んだ。

「あなたには、確かな力がある。人を救える力が・・・。だからもっと、自分を信じてあげて」

言い聞かせるような響きをもった声は、少女の胸に、確かな重みをもって届いた。

「・・・はい!それじゃあ、フィリアさん。失礼します。ありがとうございました!」

力いっぱい頷き、リアラも退出する。



最後には、フィリアとフルートだけが残った。

「・・・不思議な子達ね。リアラ・・・そして、カイル」

「カイルは、あの2人の息子だしね。というか、まるっきりスタンだけど」

「!」

「忘れてた?スタンとルーティの息子のカイル・デュナミスだよ」

今の彼は、まだ、『スタンとルーティの息子』。

『カイル・デュナミス』を見てもらうには、まだまだ幼すぎるだろう。精神的に・・・。

本当に忘れていたらしいフィリアは、驚きに目を見開いた。

「あら!・・・彼女の捜しているものは、案外、近くにあるかもしれませんね」

楽しそうに笑うフィリアをよそに、フルートは真剣だった。

「フィリア、どうして私に彼らと一緒に行けなんて?」

「いやなのですか?」

「そうは言ってない。でも、私は・・・」

「この18年の間に、あなたがどうしていたのか、何をしていたのか、私は聞きません。

しかし、今のあなたは、あの頃にはなかった、何か大きな悩みがあるのでは、ありませんか?」

フルートは思わず息をのむ。

自分には流れていなくて、彼女たちには流れた18年という月日は、彼女をたしかに、少女から大人の女性へと、成長させていた。

リアラに対しての慈愛の笑みのようなものも、この鋭さも・・・。

そう実感すると、なんとなく、寂しい気持ちにはなるのだが。

「わかった。行くわよ」

・・・今は、そのほうが助かる、かもしれない。

フルートは諦めたように肩をすくめる。しかしその口元には、笑みが浮かんでいた。

「ミナさん」

「え?ってうわぁ!ふぃ、フィリア!?」

真名を呼ばれて間もなく、フルートはフィリアに抱きしめられた。

「でも、私も、みなさんも、あなたがいきなり姿を消してしまって、とても心配したんですよ?

・・・・・・リオンさんの、後を追ってしまったのでは、と・・・」

「フィリア・・・」

そうできたら、よかったのかもしれない・・・。

私はできなかった。そのとき、私は、全てを思い出してしまっていたから・・・。

でも、それでも・・・彼女や、みんなに、心配をかけてしまったのだと思うと、束の間の記憶でも、こうして再び逢えたことは、よかったのかもしれない。

「フィリア、ごめん。ごめんね・・・」

ミナは、嗚咽をもらすフィリアの背中を、ゆっくりと撫でた。
【2007/02/09 18:11】 | 本編小説(2章) | コメント(2)
第7話 ずっと無表情だった口元を少し緩めた。
「・・・うん、もう大丈夫。呼吸も落ち着いているし」

「よかったぁ」

とりあえず、フィリアを私室まで運んだ一行は、思い思いの場所で様子を見ていた。

「でも、すごいね、キミ!あれだけの大怪我を、あっという間に治しちゃうなんてさ!」

「・・・すごくなんか、ないわ。フィリアさんを巻き込んでしまった上に、助けることも、できなかった。・・・それに、私の力じゃ・・・」

興奮しているカイルに、少女は目を背けながら応えた。

しかし、最後の声は小さくて、カイルの耳には届いていない。

「で、でも!キミがいたから、怪我を治せたんだよ!そんなに、落ち込むことないって!」

慌ててなぐさめようとするが、少女はさらに落ち込んだようだった。

「・・・あのさ、オレの母さんが言ってたんだけどさ、『反省はするべきだけど、後悔はしなくてもいい』って。

反省は未来につながるけど、後悔は過去に縛られてるだけなんだってさ」

少女には何が言いたいのかよくわからなかったらしく、小首をかしげている。


ほんの数日前に会った旧友の顔を思い浮かべて、フルートはずっと無表情だった口元を少し緩めた。


「っ」

フルートと同じく、カイルたちから一歩下がったところで様子を見ていたジューダスは、その表情がよく見知っていた少女と重なり、思わず息をのむ。

しかし、そんなはずはないと頭を振る間に、その笑みは消えていた。

「その人の、言うとおりですよ」

「フィリアさん!」

いつの間に目を覚ましたのか、フィリアが起き上がろうとしていた。

フルートはすぐさま近寄り、手を貸す。

ゆっくりと上半身を起こさせたフィリアは、視線で大丈夫かと聞いてくるフルートに、小さく微笑む。

「大司祭様が、『神の眼』を奪い、世界を支配する野望に荷担した。しかも、私も知らずに手助けしていた・・・」

フィリアはまっすぐにリアラを見つめながら、過去を振り返る。

「そのことを知った私は、それまでの自分を後悔し、ただ、泣いていました」

「そんな私に、スタンさんは『泣いてるだけじゃダメだ』といって、手を差し伸べてくれたんです」

長い金髪と同様にキラキラと輝く懐かしい笑顔がフィリアの頭をよぎる。

昔抱いたほのかな想いを思い出し、それを知っていた旧友から、かくすように眼鏡をクイと直した。

「後悔は、何も生み出さない。そのことを、あの人が教えてくれたから、今の私が、あるんです」


「・・・・・泣くどころか、『神殿の汚点を排除する』つってたし・・・(ボソッ」

「フルートさん、何か?(黒い笑み」

「いえ」

フィリアはフルートにだけに見せたオーラを消し、少女へと振り返る。

ちなみに上の会話は聞こえていない。

「残念ながら、英雄に会うための術は、私にもわかりません」

「そう、ですか・・・」

「ですが、あなたに必要なものなら、わかります。」

項垂れていた少女は、その言葉にはっと顔をあげる。

「仲間、です。私にとっての、スタンさんや、ルーティさんのような人たちです」

フィリアは一瞬視線を傍らの旧友に向けて、優しい微笑みを浮かべながら続けた。

「彼らは、自分さえ信じられなかった私の力を、信じてくれた・・・。だから、私も前に進めた」

それはまさしく聖母の笑みと呼ばれるものだった。

「そんな人たちが、あなたにも、必要だと思うんです」

「仲間・・・」

少女は、自分に言い聞かすように繰り返した。

「父さんや、母さんのような・・・」

カイルは、少し考えるように黙り込むと、少女に向き直る。

「よし!オレがなるよ!」

「えっ?」

「オレが、キミの仲間になる!ずっとず~っと、一緒にいる!決めた!!」

目をキラキラさせて、カイルは胸を張る。

「いっしょにいれば、オレが英雄だってこと、キミにもきっと、わかるしね!」

少女は戸惑い、フィリアに助けを求めるような目を向けた。

「フィ、フィリアさん、わたし・・・」

「答えは、もう出ているのでしょう?なら、あとは何をすべきか、わかっているはずですよ」

フィリアに促されて、少女はカイルに振り返った。

「・・・わたしと、いっしょに来てくれますか?」

「もちらん!聞くまでもないことさ!!」

少女は少し顔を赤らめながら、つぶやいた。

「ありがとう・・・」

「そうだ!キミのことは、なんて呼べばいい?いつまでも『キミ』じゃあね」

「・・・リアラ」

「リアラか・・・改めて、よろしく、リアラ」

「・・・うん!よろしくね、カイル!」

元気よく差し出された手を握り返し、微笑む。
【2007/02/09 18:11】 | 本編小説(2章) | コメント(0)
第6話 「見つかったら困るでしょう?」
「っ!あなたは、一体・・・」

「・・・・・」

リアラが息をのむのが聞こえたが、フルートは聞こえないふりをして沈黙を通した。




「受け取れ、カイル!」

そのとき、聞き覚えのある声に、思わず顔をそちらに向けると、想像通りの、骨の仮面をかぶった黒衣の少年が、カイルと呼ばれた金髪の少年に剣を投げてよこすところだった。

その剣で、カイルは勢いよく筋肉ダルマに突き刺す。

「・・・ククク。我が餓えを満たす相手が、この世にいようとはな・・・」

刺されたというのに、余裕の笑みすら浮かべた筋肉ダルマは、一歩下がって自ら刺さった剣を引き抜いた。

血がしたたり、床に赤い水溜りをつくっていく。

「我が名は、バルバトス・ゲーティア。カイル・デュナミス・・・。その名、覚えておこう!」

そういい終わると、同時に、再び黒い光が現れ、それが消えたときには、その男は既にいなかった。

「や、やった・・・。そうだ!フィリアさんが!!」

思い出したように勢いよく振り返ったカイルは、そこに見慣れぬ少女がいることに気づいた。

「あれ、キミは・・・?」

「お美しいお嬢さん、ここで逢ったのも何かの縁、いや、これぞ運命!どうです?2人で愛をはぐくむ旅へとでかけませんか?」

神速といってもいいほどの速さで弟分の頭をぶん殴り、銀髪の青年ロニはフルートの前へと来て手を取る。

「どうか、あなたのお名前を教えてください」

いやだなぁ。かかわりたくないなぁ。

つかコイツ、年下には興味ないって言ってなかったっけ・・・。

昔は可愛かったのになぁ。どこで教育を間違ったんだろう・・・。

18年前のことを思い出し、フルートは心の中でため息をついた。

視界のはしに映った黒衣の少年、ジューダスを見る限り、表情こそわからないが、似たようなことを考えているのかもしれない。

フルートは心の中で、再びため息をつく。

もういいや。ほっとこう・・・。

「近くに、彼女の私室があります。そこへ運びましょう。騒ぎを聞きつけて、兵たちが来る可能性も、ありますから」

さりげなく手を振り払い、1人ゆっくりと近づいてきたジューダスに告げた。

「あ、あのぉ・・・」

「私は問題ありませんが、あなたたちは言わば不法侵入者」

「すみませぇ~ん?」

「見つかったら困るでしょう?」

「そうだな。おい、そこの木偶の坊、フィリアを運んでやれ」

「お、オレって、一体・・・」
【2007/02/09 18:10】 | 本編小説(2章) | コメント(0)
第5話 「あ、あなたは…!」
「神の眼を砕いたという、四英雄が一人・・・フィリア・フィリスだな?」

黒く禍々しい光とともに姿を現した大男は、一人の少女と話をしていたフィリアを見咎めると、目を細める。

男は褐色の肌に青い長髪、筋肉のついた強靭な肉体は服ごしにでもわかる。

その手には大きな斧を持ち、軽々と肩にのせていた。

「あ、あなたは・・・!?」

フィリアはとっさに少女をかばいながら、男に目を向ける。

「死に逝く者に名乗ったとしてもムダだ・・・覚悟!」




フルートは知識の塔から直接回廊を渡り、大聖堂の2階へと出た。そのとき、

  ガキィーン!!

剣と剣があわさるあの金属音が鼓膜をつく。

手すりから下を覗き込むと、そこでは金髪の少年、銀髪の青年が、大男と戦闘を繰り広げていた。

フルートは内心舌打ちをしたくなった。

もう筋肉ダルマ2世が来てるじゃない!

私がここにいること、エルレインに知られたくないし・・・。

しかたがないわね。


フルートは気配を消し、静かに下で少女に支えられているフィリアに駆け寄った。

「あ、あなたは…!」

いきなりどこからか現れた(ように思った)自分と同じか少し上くらいの彼女に、少女は栗色の瞳を大きく見開く。

「彼女の知り合いです」

フルートは短く答え、さきほど見つけたばかりの本を左手で開き、右手をフィリアの傷口にかざす。

「      」

フルートが何事かを小さくつぶやくと、淡い光が傷口を包み込み、止め処なく溢れていた血がゆっくりと止まった。

それと同時に、少女のペンダントが輝いた。
【2007/02/09 18:02】 | 本編小説(2章) | コメント(0)
第4話 「これでよし」
知識の塔3階

ミナはとある本を探していた。

「もう、どこにあるのよ・・・」

実は探し始めて既に2時間経過した。

”知識の塔の3階”としか言わなかった彼に、心の奥で小さくグチをこぼす。

(こんなにたくさんある中で、たった1冊だけを探すなんて、普通にムリでしょー)

フィリアは10分ほど前に、夕べの祈りのために大聖堂へ向かった。

ミナは今1人しかいないことを確認し、胸元のペンダントを握り締める。

なんの装飾もない、月光を凝縮したかのような色のそれは、淡い光を放ち、部屋中に溢れた瞬間、共鳴するように1冊の本が光を放った。

そしてペンダントから手を離すと同時に光は収まる。

唯一光を放ったその本を抜き取ると、それは茶色い革張りの表紙に金色の細い装飾をほどこした分厚い本だった。

数ページぱらぱらとめくると、そこに書かれていた文字は、普通の人が見ても理解できるものではない。

とあるページでめくるのを止め、今まで首にかけていたペンダントをはずし、そのページの上にかざす。

小さく何事かをつぶやくと、再び本が光り、ペンダントはそこに吸い込まれるようにして消えていった。

「これでよし」

そしてミナはフィリアにお礼を言うために大聖堂へと向かった。
【2007/02/09 18:02】 | 本編小説(2章) | コメント(0)
第3話 よりにもよって、アイツか…。
“聖都アイグレッテ”は、通りに人々があふれ、18年前では考えられないほどの発展を遂げていた。

かつては世界各地に建てられていたアタモ二神を祀るストレイライズ神殿の総本山がこの町に存在していた。

今では“ストレイライズ大神殿”と呼ばれている。

18年前、外殻の落下により滅んだ「アルメイダ」や「ハーメンツ」、「ダリルシェイド」からの難民たちが集まり、森が切り開かれて造られた比較的新しい町だった。

争乱後、四英雄が1人、フィリア・フィリスが“聖司祭”として神殿に戻り、復興に助力したという。

ミナは宿をとり、また町へと出る。

目深くフードを被り、神殿の正門の前にいる兵士に声をかけた。

既に話は聞いていたようで、何事もなく通してもらえた。



「久しぶり。フィリア」

通された部屋に入ると、記憶よりもずっと大人の雰囲気と、理知的な瞳、そして前よりもずっと長くなった新緑の髪を2つに分けて大きく三つ編みにした、かつての仲間が穏やかに迎えてくれた。

「お久しぶりですわ。お手紙はルーティさんから、いただいております」

フィリアはそういうと、ミナに席をすすめる。

その際、ふと視界にあるモノを見つけて、ミナは一瞬動きを止めた。

「どうなされました?」

ニッコリと笑って言うフィリアの背後には何かが見える。

「う、ううん。何でも、ない…」

一瞬フラッシュバックした昔の記憶を頭から振り払い、大人しく座るが、思わず視線はそちらに向いてしまう。

視線の先には1つのコンピュータがあった。

そしてそのディスプレイには、見覚えのある物体が映し出されていた。

細かく記載されているそれは、18年前、他でもない彼女が使っていた爆弾(フィリアボム)と思われる。

「そういえば、今朝あなたの知り合いという男の子が訪ねてきましたわ」

「え?」

ふと雰囲気を和らげて、突然フィリアはポンと手をうった。

ミナも視線をフィリアに戻す。

「黄緑色の髪をした、深い茶色の目の…。あなたがいらっしゃったら『先に行ってる』と伝えて欲しいと」

それでミナは全てを察する。

(よりにもよって、アイツか…。つか先に行ってるって、どこ行くのかわかってるのかなぁ)

「もしかして、アイツ……アレに興味もたなかった?」

苦笑ぎみにミナが指差したのは、さきほどのコンピュータ。

「えぇ。ですから、処理しようと思っていた残りと一緒に、データもさしあげましたわ♪」

対してとても上機嫌で言うフィリア。自分の研究の成果をわかってもらえてそうとう嬉しかったらしい。

「そっか…」

(爆弾魔2世の誕生か…)

ミナはとりあえずフィリアが出してくれた紅茶に口をつけた。

その後、しばらく笑い話をして、ミナはに来た目的の1つを切り出す。

「ねぇ、フィリア。ちょっと調べたいことがあるんだけど、“知識の塔”使わせてくれる?」

「えぇ、構いませんわ。ご自由にお使いください」
【2007/02/09 18:01】 | 本編小説(2章) | コメント(0)
第2話 「…いわゆる、偽名?」
孤児院の1階に、ルーティとミナはいた。

外からは子供たちの元気な声が聞こえる。

「それで、アンタ今までどうしてたの?」

ルーティはお茶を出すと、ミナの目の前のいすへ腰掛ける。

「…みんな、すっごく心配してたんだからね」

「ごめんね。ちょっと、いろいろあってさ…」

ミナは苦笑すると、それだけ言った。

「わかった。言いたくないなら、言わなくてもいいわ」

ルーティは1つため息をつくと、肩をすくめた。

「ありがとう」

一瞬軽く目を見開いたミナは、ルーティの気遣いに素直に感謝を述べる。



「あんた、これからどうするの?」

しばらくたわいもない話をしていたが、ルーティがふとたずねる。

「もし、あてがないなら、ここで一緒に…」

少しの期待をこめて言おうとするが、その言葉はミナに遮られた。

「ごめんね!私、とりあえず、フィリアたちにも会おうと思ってるの」

「そっか。そうよね…。みんなも本当に心配してたのよ」

「うん。その後で…きっとまた来るから」

「わかった。待ってるわ」

ルーティは、少し残念そうだったが、笑ってくれた。

“彼”のことに触れなかったのは、気遣ってくれたからだろう。

「フィリアには、私から手紙送っとくわ」

「ありがとう。じゃ、お願いね」

確かに、ここクレスタから行くなら、アイグレッテのフィリアのほうが近い。

‘彼ら’に会いそうなので、少し迷っていたのだが…。

でもルーティが手紙を書いてくれるというのなら、やはりそちらから行ったほうがいいだろう。

「あ、そうだ」

「ん?どうしたのよ」

いきなり声をあげたミナに、ルーティは首をかしげた。

「あのね。これからは“フルート”って名乗ろうと思ってるの」

「…いわゆる、偽名?」

人聞きの悪い。一応18年前は客員銃士だったのだ。

昔、愛用していた銃「アイビー」は、今は持っていないが…。

そのままの名前を名乗るのは少し、というか大いに躊躇いがある。








「ま、いいんじゃない?」

ルーティが部屋を出て、空になったコップに再び紅茶をついで戻ってきた。

「アンタ、さ」

「ん?」

「さっきまでと、髪の色違う気がするんだけど?」

ルーティが戻ってきたとき、ミナの柔らかな栗色の髪が、今は鋭利なほどにストレートな漆を思わす漆黒の髪へと変化していた。

「いや、イメチェンでもしようかと…」

「いや、早すぎない?」

気にしない、気にしない☆と笑ってごまかすと、ルーティは思いっきり肩を落とした。

「私、もう少ししたら出発するね」

「え!もっとゆっくりしていけばいいのに…」

そしていきなりの出発宣言に、ルーティは驚いた。

「ありがとう。でも、ちょっと気になることがあるんだよ」

あまりのんびりしていると、彼らと出会ってしまうから…。

今はまだ、会うべきではないはずだから…。

「わかったわよ…」

ちょっとつまらなそうである。

しかし、ルーティはいきなり棚から小さな箱を取り出すと、それをミナに渡す。

「これっ!?」

ルーティに促されて箱を開けると、中には小さなブローチが入っていた。

エメラルドの宝玉が、なめらかな曲線を描いた台座の中に守られるように入ったものだった。

「ケイトがさ、あんたが帰ってきたときに、渡してやってくれって」

ミナの、どうして、という視線にルーティは肩をすくめて説明した。

「ケイトが!?…そっか。あれからケイト、どうしたの?」

「え、あぁ。故郷に帰るって言ってたわよ?でもアンタ、昔『ケイトさん』って呼んでなかった?」

「え、き、気のせいよ!もう歳なんじゃない?」

「なんですってぇ!?」





「また来なさいよー!」

「うん。またね!!」

片手を振り上げて言うルーティに、ミナも笑って返す。

そして、クレスタを出たミナから、笑顔は消えていた。

どこまでいけるかはわからないが、できるだけ……

フルートは渡されたブローチをコートの左胸あたりにつけると、ハーメンツヴァレーへと向かった。
【2007/02/09 18:00】 | 本編小説(2章) | コメント(0)
第1話 「『ミナ』っていえばわかるってー!!」
ルーティは、クレスタの町で孤児院を経営していた。

全ての子供たちを平等に愛そうという考えのもと、1人息子のカイルにも、ファミリーネームはデュナミスとつけている。

「ん~。今日もいい天気ねぇ」

ベランダに洗濯物を干し終えたルーティは伸びをする。

そういえば、昨日はロニとカイルが後ろから驚かしてきたのだった。

そしてカイルが、自分も旅に出たいなどと言い出して…。

つい、「あんたにはまだ早い」と言ってしまったが、考えてみれば、自分とアイツの息子なのだから、そんなことを言い出すのも、当然のように思えてしまう。



「ルーティー!」

ふいに下から、女の子の声が聞こえた。

「何?どしたの?」

ルーティがベランダから身を乗り出すようにして下を見る。

「お客さーん!」

客?こんなところに?

一体誰だろうと、記憶をめぐらしてみるが、見当がつかない。

「『ミナ』っていえばわかるってー!!」

「何ですって!?」

今となってはありえない旧友の名前に、思わず目を凝らして姿を探す。

すると、女の子の後ろに歩み寄った、フードを被っている人物が見える。

「久しぶり。ルーティ」

ふいにその人物が発した声は、まさしく記憶にある、彼女の声だった。

「あ、ちょ、ちょっと待って!すぐに行くから!」

ルーティは慌てて階段を駆け降り、扉を開ける。

フードを被った少女は、口元に笑みを浮かべてルーティに近づく。

「アンタ、本当に…?」

ルーティが信じられないと言うように両目を見開くと、少女はフードを脱ぐ。

18年前の記憶と、何ら変わらぬ姿に、ルーティは絶句した。

変わったのは服装と、前はツインにしていた栗色の長い髪をおろしているということだけだった。

「アンタ、今まで何して…」

「ちょっと、話すと長くなるかも」

そういう少女は、昔とかわらぬ苦笑を浮かべる。

「そう…わかったわ。とにかくあがってちょうだい。子供たちは適当に遊ばせとくから」

ルーティは言うと、少女を促した。

「ありがとう…」
【2007/02/09 18:00】 | 本編小説(2章) | コメント(0)
プロローグ 「あなたが、当代の“セフィラ”ですね?」
――――18年後

『神の眼を巡る争乱』・『第二次天地戦争』とも呼ばれる戦いは、後に四英雄と呼ばれる4人のソーディアンマスターと、その仲間の死闘によって、終結した。

――しかし、神の眼を破壊するにあたり、共に戦ったソーディアンは犠牲になり、そして崩壊した外殻は、世界各地に降り注いだ。

その傷痕は今もなお、世界中に残っている。



その傷痕の1つ。それがここ、‘ラグナ遺跡’である。

かつては空中都市の1つ、“クラウディス”として存在していたが、外殻の崩壊と共に、地表へ落下したのだった。

遺跡の最上階、屋根は吹き飛んだのか、そこからは澄み渡る青空が見えた。

そこの中心にそびえる大木の根元に、1人の少女が佇んでいる。

少女は大木の大きな窪みを見つめ、あるはずのものがないことに、物語は既に始まっていることを知った。

もう用はないとばかりに階段へ足を向けると、先ほどまでいた場所に、青白い光が集まり、そこから1人の女性が現れた。

少女が振り向くと、神殿の高官のみが身に纏うことの許されたローブを着た女性が、にっこりと微笑む。

「あなたが、当代の“セフィラ”ですね?」

女性は柔和な笑みを浮かべたまま、少女へと近づく。

「そうだとしたら?」

少女は女性を軽く一瞥すると、何の感情もうかがえない声でいう。

「あなたがこの世界にいらしたと聞き、お迎えにあがりました」

女性は一礼すると、一歩さらに近づく。

「私には、あなたの協力が必要です。――この世界を、絶対の幸福へ導くために」

「私は本来、この世界に存在しません。フォルトゥナの聖女」

少女は女性に鋭い視線を向ける。が、女性は気にしたふうもなく、余裕の笑みを浮かべた。

「あなたの力をお貸し頂けるのであれば、この世界の人々は、より速く幸せをつかむことができるでしょう」

「私は絶対幸福になど興味はありません。ただちに立ち去りなさい」

「なぜです!?あなたは…いえ、あなたも人々を幸せに導くための存在ではないのですか?」

少女の拒絶に、女性は余裕の笑みを失い、取り乱す。

「私は中立です。あなたと、もう一人の聖女。どちらの肩を持つ気もありません」

「…わかりました。しかし、もし協力なさる気になったなら、アイグレッテへいらしてください」

エルレインは言うと、また青白い光に包まれ、消えた。

「新しい名前を考えたほうが良さそうね…」

少女は一人苦笑すると、今度こそ、遺跡を後にした。







とりあえずプロローグ。
今打ってる小説だけは全部載せたほうがいいかと思い、これから連続して更新する予定。
ほとんど放置目的だしねw
ま、更新するときはこっちだよ~っていうだけで。
つかいきなりだな。これ・・・。
【2007/02/09 17:58】 | 本編小説(2章) | コメント(0)
とりあえず分岐完了
とりあえずやっとのことでできました。

これからしばらく放置するかもしれません。

まぁ、そのうち小説もこっちに移していく予定です。

それではw
【2007/02/08 20:50】 | 日記 | コメント(0)
風水月


分岐したブログからメインを経て、放置から一応復活。 なので更新不定期。 主にテイルズとか、SHとか、オリジナル小説とか、夢小説とか、鬱日記とか…etc

プロフィール

月夜

Author:月夜
一応女子大生(笑)になりました。
テイルズ(特にオリDのリオンとジューダス)が好きでアニメや漫画が大好きなSHローランです。
ちなみに更新率は再び極めて低くなることと思います。
そうです。いつもですがスランプ絶好調です←
創作活動としては、オリジナル小説1つと、TOD&D2のリオン&ジューダス相手の夢小説(一部非公開)と、友人とやってる共同オリジナル小説(非公開)です。

一応声優志望なのですが、どうにも地元から脱出しそこねて、いろいろ大変なことになっています。

このブログを今後更新するときはもしかしたら鬱日記が多くなるかも…。

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